子がいない夫婦の一方が死亡した場合、その親が存命であれば、配偶者の相続分は2/3です。親が既に死亡しており、兄弟または兄弟の子が存命であれば、配偶者の相続分は3/4となります。
そのため、子がいない夫婦の一方が死亡した場合、親や兄弟と配偶者との間で、相続を巡って争いが生じることがよくあります。
特に、夫婦で築いてきた財産を親ならまだしも、なぜ兄弟に渡さなきゃいけないのかと思う方は多いと思います。
また、争いが生じなくとも、親や兄弟と配偶者は他人ですので、遺産分割協議をすることは、配偶者にとっても、親や兄弟にとっても心理的な負担は大きくなりがちです。
これを防ぐためには、予め遺言を作成しておく必要があります。特に既に両親が亡くなっている場合、兄弟には遺留分がありませんので、遺言書を作っておきさえすれば、全財産を配偶者に残すことができますので、揉める心配が無くなりますし、兄弟に遺産の内容を開示する必要も無くなるので、プライバシーの確保の面からも安心です。
他方、親が存命の場合は、1/6の遺留分が発生しますので、注意が必要です。
なお、遺言書の作成には一定のルールがあり、それに従わないと無効となってしまいますし、遺言書の有効性を巡って争いにもなりますので、遺言書の作成に当たってはご相談下さい。